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共同研究

アメリカの人種主義―カテゴリー/アイデンティティの形成と転換―

基本情報
この本の内容
目次
書評
著者

竹沢 泰子

出版年

2023

出版

名古屋大学出版会

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差別を生み出し続けたステレオタイプ、制度、学知などによる黒人、アメリカ先住民、アジア系移民の人種化の実態を鋭くとらえるとともに、排除に抗うアイデンティティ形成のジレンマもはじめて一貫して提示、アートを手がかりに、固定化された対立をほどく、第一人者による渾身の成果。

序 章 システミック・レイシズムの新たな理解に向けて

はじめに

1 人種、カテゴリーおよび関連概念

2 2つの人類学会による声明

3 本書の用語表記と構成について

 第I部 消費される人種カテゴリー

第1章 広告とジョークにみる人種のステレオタイプ

はじめに

1 黒人の表象

2 アメリカ先住民の表象

3 アジア系の表象

4 アイルランド人の表象

5 ユダヤ人の表象

おわりに

第2章 広告にみるステレオタイプと人種間の関係性

はじめに

1 広告にみる白人とマイノリティの関係性

2 統計からみるステレオタイプ

3 人種と結びつけられた記号

4 消えないステレオタイプ

5 ステレオタイプの脅威

おわりに —— 社会システムのなかのステレオタイプ

 第Ⅱ部 学知が創るカテゴリー

第3章 アメリカ人類学史における「人種」

はじめに

1 啓蒙時代におけるカテゴリー化

2 単一起源か多起源か —— アメリカ人類学の夜明け

3 生物学的人種への挑戦 —— ボアズ、モンタギューとそれに続く人類学者たち

4 ホロコーストへの反省から ——「人種」の抹消の功罪

5 知能指数論争と人類学の応答

6 1990年代のアメリカ人類学会

7 公共への発信 —— 2000年代から現在まで

おわりに

第4章 進化論とアメリカ人類学
      —— 19世紀後半を中心に

はじめに

1 ダーウィン進化論と人類学

2 進化論とアメリカの人類学者 —— ブリントン、パウェル、クロッソン

3 シカゴ万国博覧会と人種の展示 —— パトナム

おわりに

 第Ⅲ部 制度が創るカテゴリー

第5章 センサス再考
      —— カテゴリーの連続性と不連続性

はじめに

1 人種・エスニシティ関連のカテゴリー化の変遷

2 創り出されたカテゴリー

3 1850年と2000年のセンサス

4 残された課題

おわりに

第6章 帰化権にみる白人性(ホワイトネス) とアジア系の境界
      —— 法廷が定める人種カテゴリー

はじめに

1 帰化法と〈白人〉〈アフリカ系〉

2 判例にみる白人性の創出

おわりに

 第Ⅳ部 カテゴリーにもとづく差別

第7章 日系アメリカ人の経験とアイデンティティ

はじめに

1 「色」か「文明」か —— 第二次世界大戦前の排斥運動のなかで

2 第二次世界大戦と「危険分子」日系人

3 1980年代の日米貿易摩擦

4 反ヘイトに連帯して

おわりに —— 変わらぬまなざしと変化するアイデンティティ

第8章 サンフランシスコ日本町にみるコミュニティ組織の変容
      —— 1877~2000年

はじめに

1 第1期(1877~1923年)

2 第2期(1924~1942年)

3 第3期(1945~1967年)

4 第4期(1968~2000年)

おわりに —— コミュニティ組織生成にみる日系人社会の変化

 第Ⅴ部 アイデンティティと人種カテゴリーのゆくえ

第9章 アイデンティティ・ポリティクスからポスト・アイデンティティへ
      —— 2000年代の若手アジア系芸術家たちの作品と語りを手がかりに

はじめに

1 アイデンティティ・ポリティクスとアイデンティティ・アート

2 2つのアジア系アメリカ人アートの展示

3 ポジショナリティとアイデンティティの表現

4 〈アジア系アメリカ人〉というカテゴリー

おわりに —— 同化も隔離も超えて

第10章 ミックスレイスの人びとが向き合う人種カテゴリー
      —— ロジャー・シモムラ、ローラ・キナ、シズ・サルダマンドの作品と語りから

はじめに

1 ロジャー・シモムラ

2 ローラ・キナ

3 シズ・サルダマンド

おわりに —— 人種カテゴリーのゆくえ

終 章 「ほどく」「つなぐ」がひらく未来へ
      —— 井上葉子とジーン・シンの作品と語りから

はじめに

1 井上葉子

2 ジーン・シン

3 「ほどく」「つなぐ」がひらく未来へ

あとがき
初出一覧

図表一覧
事項索引
人名索引

今野裕子『移民研究年報』2024年6月 第30号pp.142-143 掲載
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