Ayako Saito・Yasuko Takezawa
2016
本来見えるはずのない人々の差異は、歴史・社会的にどのように徴づけられてきたのか。人種主義は社会階層、ジェンダー、民族の政治(ポリティクス)とどう複合してきたか。見えない人種が創られていく現場に、近代史と現代、日本とアジア・ヨーロッパ・アメリカの事例から切り込む。【シリーズ全3巻/第2回配本】
刊行のことば
序章 差異の可視性/不可視性(斉藤綾子・竹沢泰子)
第I部 被差別集団と人種化
第1章 被差別部落の映画表象ーー差異と差別の可視性と不可視性(斉藤綾子)
第2章 人種の形成ーー韓国の白丁の事例(金仲燮/髙正子訳)
第3章 近代日本社会と被差別民の表象ーー「差異」の歴史的位相(吉村智博)
第II部 制度としての人種形成
第4章 血の掟ーーアメリカ合衆国の法廷における人種の見えない常識(アリエラ・グロス/後藤千織訳)
第5章 日本の天皇制と近代人種主義(タカシ・フジタニ/辛島理人訳)
第III部 移動のポリティクスと人種
第6章 「移動民族」としてのロマと新人種主義ーーヨーロッパ域内の人の移動をめぐるポリティクス(岩谷彩子)
第7章 〈血〉の連続性とは何か?ーー現代の首都圏におけるアイヌ民族の隣接的共同性原理をめぐって(関口由彦)
試論 差異と差別の(不)可視化をめぐって(竹沢泰子)
索引(事項・人名)
執筆者・訳者紹介